松戸市消防局パワハラ訴訟:元消防士4人と和解 市側が660万円支払い

毎日新聞社 毎日jpより転載)

松戸市消防局の元消防士4人が訓練でパワーハラスメントを受け退職を余儀なくされたとして、市に損害賠償を求めた訴訟は21日、千葉地裁松戸支部で和解が成立した。市側はパワハラ行為があったことを認め、4人に対し計660万円を支払う。配慮に欠けた言動や指導担当者の行き過ぎた行為についても遺憾の意を表明し、集中訓練の方法を再検討する。

最も過酷なパワハラを受けたと認定された原告の男性(31)は和解後、「殴ったりけったりすることが訓練なのか。消防士という職業を信じていた自分がばかみたいで悔しい」と憤りをこらえるように話した。男性は「パワハラの温床は残されたままになっていると思う。今後、和解で市が誓約したことが形骸化しないよう取り組んでほしい」と注文を付けた。

退職後、埼玉県内の自治体で消防士となった原告の男性(25)は松戸市の閉鎖性を指摘。「現在の職場での訓練は自主性が尊重され、殴られたりけられたりしたことはない。松戸市でなぜあそこまで追い詰められなくてはいけなかったのか理解できない」と話した。

松戸市の佐久間峰男消防局長は「市民の信頼を損ない、深くおわびします。厳粛に受け止め、職員一丸となって信頼回復に努めます」とのコメントを発表した。

訴状によると、4人は05年4月に採用され、06年春の集中訓練で過酷な腕立て伏せや持久走を強制され、暴言を吐かれて精神的な損害を受けたとしている。


http://mainichi.jp/area/chiba/news/20091222ddlk12040182000c.html