真冬に大型扇風機で強風を当て、パワハラ認定

外資消費者金融「日本ファンド」(東京都品川区)の契約社員ら3人が、元上司から真冬に扇風機で強風を当て続けられるなどのパワハラを受けたとして同社などに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は27日、慰謝料など総額146万円の支払いを命じた。会社側は「空気を循環させただけ」などと反論したが、石井浩裁判長は「嫌がらせ目的で精神的苦痛を与えたことは不当行為に当たる」と判断した。

訴えていたのは、30〜40代の契約社員ら3人。

判決などによると、同社の部長だった元上司は07年12月から約半年間、喫煙者である原告らに「たばこ臭い」などと言って業務用大型扇風機3台を「強風」にし、後方から一日中風を当て続けた。真後ろまで近づけて風を当てることもあり、原告の中で最も強い風を受けていた1人は08年6月にうつを患い、1カ月間休職した。

また、元上司は原告らに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との内容の始末書を書かせたり、「よくこんなやつと結婚したな」などと暴言を吐くこともあった。

3人は同年6月、出版情報関連ユニオンに加入し、会社側に団体交渉を申し入れたが、受け入れられなかったため、提訴していた。

判決について、原告の一人は「契約社員という弱い立場のため、反発できなかった。パワハラの事実が認められてうれしい」と話した。


※毎日.jp より転載させていただきました。